卒業設計 2026
- maedazemikouhou
- 4月14日
- 読了時間: 5分
こんにちは!!広報のM2土屋です。
前回の投稿に引き続き卒業設計の最終成果を投稿させていただきます。
各自で自分なりの論を立てて、1年間のエスキスを通して卒業設計として昇華させることができたと思います。
以下に2026年度の卒業設計の氏名・タイトル・コンセプト・提案・模型を発表順に紹介していきます。
松森 海斗
時間に生かされる世界から、時間を生きるユートピアへ
ー用途のラベルを外し、行為の選択によって時間の質を変える建築手法ー
現代の空間では、家具や用途が行為を決めている。本計画は、家具と建築の境界をほどき、用途の定まらない余白をつくることで、人が「何をするか」を自ら選ぶ状態を生み出す。銭湯、シアター、シェアキッチン、そして喫煙所や本の貯蔵庫が重なり合い、時間は一つに定まらない。そこに立ち現れるのは、時間を選び生きるためのユートピアである。


高橋 遼
誰でもないわたし
-流川の夜を肯定する、職住一体の包摂的な器-
「何者か」になる必要はない。 広島・流川は、明治期の遊郭から現代の歓楽街に至るまで、多様な生を包摂し続けてきた街である。 性的マイノリティ、そして昼夜逆転の「時間的マイノリティ」として生きる人々。 昼基準の都市で周縁へと追いやられてきた彼らが、属性を脱ぎ捨てて「誰でもない自分」に戻れる場所を提案する。 遊郭の空間原理を現代へと昇華させ、夜の都市に新たな居場所の秩序を。


山中 祥
空隙を縫う
住宅地域の路地からひらく、マギーズ的ケアのあるもうひとつの家
がんに関わる人々は、医療や福祉の制度の中で「患者」「家族」「支援者」といった役割に分けられ、その過程で関係の途中に立ち止まらざるを得ない瞬間や、言葉にできない不安や孤立が生まれる。
一方、住宅地域には空き地や路地といった用途を失った空隙が点在し、そこには行き場を失った関係性が滞留しているとも捉えられる。
本計画は、人の状態と都市の空隙を重ね合わせ、それらを異なる人や時間を緩やかに縫い合わせる「縫い代」として捉える建築を提案する。住宅地域の路地に面する空隙に建築をひらき、地域の気配を感じながらも過度に干渉しない距離を保つ空間を構成する。
ここでは滞在・対話・ひとりの時間が共存し、訪れる人が自らの状態に応じて居場所を選ぶことができる。治療を目的とした施設ではなく、がんと共に生きる人々が生活の延長として過ごせる「もうひとつの家」として、都市の中にさりげなく関係の余白を生み出す建築を目指す。




武田 考生
まちそだちの環
-持続的に成長する場所を紡ぐ-
学校は安全管理の強化により地域から閉ざされ、教育や見守りの役割が校内に集中している。その結果、教員の負担は肥大化している。本計画では学校と街を横断する屋根状の帯空間「リング」を提案する。リングは子ども、教員、地域住民の活動を受け止める中間領域となり、人の流れと見守りを地域へ広げる。建築によって学校と街の関係を緩やかにつなぎ直し、教員に集中していた役割を地域へ分散することを目指す。


斎藤 啓夢
終わり続ける都市装置
-消滅地方都市で廃墟を肯定する高層建築の改修案-
あなたの故郷は数百年後消滅している。解体できない廃墟が立ち並び終末の世界を迎える。私は朽ちていくことの美学を提唱する。アクトシティ浜松という超高層建築を敷地対象とし、その中で時間軸の重なりに着目し様々な時間の交わりを誘発することにより終わり続けることをする。やがて都市装置となり、消滅地方都市に君臨し続ける。


水谷 奈桜
ついで、接いで、継いで。
-商店街の再編集が引き出す、フレイルの居場所と行為-
頑張らなくても外に出て、ついでに人とすれ違い、ついでに関わってしまう。そんな日常の積み重ねから、人とまちをゆっくり元気にしていく交流館の提案である。対象は姫路市の二つの商店街に挟まれた街区。表は賑わっているが、裏側は駐車場やバックヤードとなり、人の気配が薄れている。そこで裏側に、商店街をつなぐスロープ状の交流館を挿入した。三段階の勾配によって無理なく歩ける動線をつくり、ついでに歩き、ついでに関わることで、人とまちをやさしく継ぎ直す提案である。


小西 愛悠
無意識的な差別によるカテゴライズの是正に関する空間設計
ー路地を基盤とした行動分析と骨格設計ー
これは他者を知ってしまう路地で暮らす住宅街の設計である。現代社会では、年齢や職業、国籍、家族構成といった様々な属性によって人々が分類され、互いを十分に知ることなく理解したつもりになってしまう状況がある。このような無意識的なカテゴライズは、他者を単純な枠組みの中で捉えてしまうことで差別や偏見を生み出す一因となっている。この構造は建築や都市空間においても見られ、用途や機能によって整理された空間は、人々の生活や関係性をあらかじめ枠づけてしまう。本提案では、こうした状況に対し、生活行為が住まいの内部だけでなく路地へと溢れ出す環境に着目する。行動から空間の骨格を構想することで、人々が互いの生活の気配を感じながら関わり合う、他者を知ってしまう住宅街のあり方を提案する。


卒業設計を通して成長できたと思います。
社会人になったメンバー、院に進んだメンバー全員が卒業設計の経験を生かして今後も前進し続けてほしいです!
見てくださってありがとうございました。
M2土屋



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